自立援助ホーム 陽気遊山

大切にしている3つのこと

あたり前の生活

 自立援助ホームは、虐待、貧困など大変厳しく過酷な養育環境をくぐり抜けて来ている青少年たちに、 安心・安全な生活環境を保障します。 スタッフと生活を共にしながら、食・住に始まり、「ごめん」「ありがとう」「お願い」という あたり前の言葉がけを大切にします。また、彼ら一人一人の話に丁寧に耳を傾け、自分の存在が 受け止められていることを実感できるように配慮し、自分を大切に思うことのきっかけを作っています。

主体性の保障

 大変厳しく過酷な生活を送ってきた青少年たちは、自分で選び、自分で決めるという自立の出発点となる 経験を保障されず、また失敗経験から学ぶという基本的な権利も保障されてきませんでした。入居時にまず、 入居の意思を確認し、ホームと入居の契約を交わします。このことは、不安や葛藤を抱えて入居してくる 青少年がほとんどとはいえ、自分で選び、考えることの第一歩となります。その後もいろいろな場面で 失敗することもありますが、「あたり前の生活」の中から、存在を受け止めてもらっているという感覚を エネルギーにし、自分で考えて行動し、その結果を受け入れるという経験を積み重ねていきます。

退居者支援

 青少年たちは、「あたり前の生活」や「主体性の保障」の中で自分の存在を大切に思ったり、失敗経験から 自分で考え、結果を受け入れる経験を重ねるとホームから離れて生活するという次のステップに進みます。その際も 「彼らから関係を断ち切らない限り、ホームからは絶対に関係を断ち切らない」というメッセージを発信します。 このことは、社会的な支援の希薄な彼らに、「困ったときはいつでも相談に来て良い」ということ=彼らの 「心の安全基地」となる覚悟と「適度に人に頼る」ことが社会生活には不可欠であると自立援助ホームが考えて いることを意味しています。また、転職、恋愛、結婚、子育てなどのライフイベントごとの「新しい課題」の相談にのり、 一人一人が抱える「人生の課題」に関しても長期間関わることによって、「時間の経過が解決してくれること」を 本人と一緒に分かち合うことができます。

就労支援について

 ホームに入居する青少年の就職探しは、学歴や資格などを持たない若年労働者としてのハンディがあることで、多くの困難に直面します。

 求人の少なさだけでなく、履歴書の書き方や保証人など、彼らだけでは手に負えない課題をクリアするための支援が必要です。

 また、自立援助ホームを理解し、彼らを受け入れ支援してくれる就労先の確保や仕事が継続的できるように彼らの働くことへの 不安・不満・愚痴に耳を傾け、彼らへの権利侵害に配慮することが必要です。